雛人形3

年に一回だけお目にかかるひな人形。

「誰をどこに置けばよかったかな…?」「この持ち物は誰のだったかったかな…?」と、悩んでしまう方も多いかな、と思います。

そこで、今日は基本的なひな人形の飾り方や人形それぞれの役目や意味などについて、お話したいと思います。




ひな人形の配置と名称や役目

雛人形6
平安時代の宮中の天皇・皇后の婚礼を再現しているとされるひな人形。

そんなひな人形たちには、それぞれ全てに役目や意味があります。

タイプにより持ちものなどが若干違う場合もあるようですが、その意味合いは概ね同じですので、ここでは品数の多くなる7段飾りを例に、上段から順にご紹介していきますね。

【最上段】・男雛、女雛/おびな、めびな

雛人形5
男雛は天皇、女雛は皇后を表わしたもので、幸せな家庭を象徴しています。
また、良縁に恵まれ幸せな家庭で過ごせるように、という願いが込められています。

男雛・女雛は左右どちらに置いても良いとされています。
中央部には1対の三方(さんぽう)のお飾りを置き、対称に男雛・女雛、両端には1対の雪洞(ぼんぼり)を置きます。

ですので全体的には、正面から見て左から順に
「雪洞・雛・三方・雛・雪洞」
となり、その背後に屏風、となります。

男雛・女雛の持ち物

*男雛
冠は、「纓(えい/冠の付属飾り)がまっすぐ立つようにかぶせます。
結び紐は、耳の後ろにかけて、あごの下で結びます。

右手には「笏(しゃく/高貴な人物の正装での持ち物・木板)」を持たせ、「太刀(たち)」は、後ろ(切っ先)部分がやや持ち上がる角度で、左腰あたりの袖の下に差し入れます。

*女雛
桧扇(ひおうぎ/木の扇)は開いて手にもたせます。
手が袖にかくれている場合は、袖部で手に持っているように見せます。

お飾り類

*屏風(びょうぶ)
風よけの役割の他、魔除けの意味があります。
ちなみに、屏風は六枚折れ(6面)2枚組のものは「六曲一双(ろっきょくいっそう)」と呼び、3枚折れ(3面)のものは「三曲(さんきょく)」と呼ばれます。
男雛・女雛それぞれの背後に置きます。

*雪洞(ぼんぼり)
昔の照明器具で、左右の両端に置きます。

*三方・瓶子・熨斗・紅白梅(さんぽう・へいし・のし・こうはくばい)
男雛・女雛の間(中央)に置かれるお飾りです。

これは明治(あるいは大正)時代以降からのスタイルのようで、その理由や意味合いも明確に分からないようです。
ただ、御三方・瓶子・熨斗はいずれも神事や慶事で使われるものですので、ひな人形が宮中の婚礼風景であることから、こういったものを飾るようになったのかもしれませんね。

また、ひな祭りは「桃の節句」とよばれるように、飾る花も本来は「桃」となるはずなのですが、吉事を表わす紅白梅がセットになることも多いようです。

なぜ男雛を「お内裏様」って呼ぶの?

「お内裏」とは御所、つまり天皇・皇后のお家のことです。

諸説ありますが、「お内裏様」という呼び方は、戦国時代などで使われていた「御屋形様(おやかたさま)」と同じで、「御所の主」という意味合いということです。

つまり「お内裏様」とは「内裏(御所)の主=天皇=男雛」という解釈で、この呼称は古来の風習からきている、ということですね。

【2段目】・三人官女/さんにんかんじょ

三人官女
三人官女は女雛(お姫様)専属の侍従(お世話係兼教育係)です。

官女はお行儀や和歌・漢文・技芸などの才に優れ、かつ、身分の高い(公家出身の)女性が勤める宮中の役職です。
官女はお姫様の身の回りの世話をするだけでなく、作法や技芸や教養を指導し、嫁ぎ先にも同行し世話を続けます。

つまり、雛飾りの三人官女は姫の実家から一緒について来たエリート官僚、という感じでしょうか。

よく似た感じの3人ですが、置く位置を見分けるポイントは足元です。
右足を出している官女と左足を出している官女がいると思います。

右足の官女を左に、左足の官女を右に置き、残りの官女(または座っている官女)が真ん中となります。
またこの段ではお飾りの高坏(たかつき)も一緒に飾られます。

ですので全体的には、正面から見て左から順に
「右足前官女・高坏・眉なし官女・高坏・左足前官女」
となります。

真ん中にくる官女の顔をよく見ると、眉がなくお歯黒をしているかと思いますが、これは既婚者であることを意味しています。
つまり、三人の中で一番の年長者であり上位の女官、ということになりますね。

三人官女の持ち物

*真ん中の官女には「三方(さんぽう/高貴な人に食べ物などを捧げる台)」を持たせます。
三方には盃が乗っているタイプが多いようです。
公家文化の残る京都地方では、三方ではなく「島台(しまだい/公家の婚礼で使用される松竹梅の造花を乗せた飾り台)」を持たせるようです。

*向かって右の官女には「長柄銚子(ながえのちょうし/婚礼などで使われるお酒を注ぐための持ち手の長い道具)」を持たせます。

*向かって左の女官には「提子(ひさげ/お酒などを温めたりする道具)」を持たせます。

三人官女の役割を知れば、こういった持ち物からも、彼女達がかいがいしく婚礼のお世話をしている様が目に浮かぶようですね。

お飾り類

*高坏
「高坏(たかつき/高足のついた丸いお盆状の台)」は、真ん中の官女と左右の官女の間に一つずつ置きます。
紅白2段重ねの丸餅を高坏に乗せて供えます。

【3段目】・五人囃子/ごにんばやし

五人囃子
五人囃子の「囃子」は、能楽や狂言、神事などで音曲を担当する人たちを指しています。
(神社のお祭りでも笛や太鼓を「お囃子」なんて言いますよね。)

ひな人形における五人囃子の役割は、まさに婚礼を盛り上げる楽団です。

正面から見て左から順に
「太鼓・大鼓・小鼓・横笛・唄」
となります。

それぞれの見分け方としては、

・手にばちを持ち太鼓をたたく所作
・左手で腰・膝あたりに鼓(つづみ)を抱えている所作
・左手で鼓を持ち右肩に鼓を乗せている所作
・横笛を持つ所作
・右手で扇子を持つ所作

という感じです。

ちなみに、平安時代の装束に身を包む人形たちの中で、五人囃子の5人の童(子供)は江戸時代の装束であることが多いと思います。
これは江戸の都で人気となった打楽器と笛(能管/のうかん、篳篥/ひちりき、笙/しょう、火焔太鼓/かえんだいこ、羯鼓/かっこ)で構成された「雅楽の五人囃子」がモチーフとなっているため、とのことです。
(つまり江戸期以前には五人囃子はひな人形には登場していなかった、ということですよね。)

五人囃子の持ち物

*(左端)太鼓
ばちを手に持たせて太鼓は人形の前に置きます。
楽団では指揮者としての役目も務めます。

*(左から2番目)大鼓
大鼓(おおつづみ)は大皮(おおかわ)とも呼ばれ、左手に持たせます。
右手のひらで打ち鳴らします。

*(真ん中)小鼓
小鼓(こづつみ)は左手で持ち右肩にのせ、右手で打ち鳴らします。
大鼓と小鼓は、両者でワンセットの楽器となっています。

*(右から2番目)笛
能管(のうかん)を両手に持たせます。
楽団では主に伴奏的な役割になります。

*(右端)謡い
謡い(うたい)はボーカルで、右手に扇子を持たせます。
扇子の所作も決まりがあり、演奏の一部としてみなされていました。

*烏帽子・脇差
烏帽子(えぼし)は頭にかぶせ結び紐はあごの下で結びます。
脇差は左腰あたり袖の下から差し込みます。

七人囃子

ひな人形によっては、雅楽の五人囃子に琵琶(びわ)と、琴(こと)を加えた七人囃子バージョンもあります。

七人の場合は左から「琴・能管・篳篥・火焔太鼓・笙・琵琶・羯鼓」と並べるようですよ。
五人囃子が江戸の童であるのに対し、七人囃子は平安の成人であることが多いようですね。

【4段目】・右大臣、左大臣/うだいじん、さだいじん

左右大臣
黒っぽい装束(老人)が左大臣で、赤っぽい装束の若者が右大臣です。

左大臣のほうが位が高く、右大臣は左大臣の補佐という位置づけです。
また、左大臣が年上となることから、老人として表現されているようですよ。
(年齢差のないタイプもあります。)

この両者は一般にひな人形では「随身(ずいじん)」と呼ばれます。
太刀や弓矢を駆使して男雛・女雛の警護をする役目で、二人が行く先どこにでもお供をします。

置く位置ですが、向かって右に左大臣、左に右大臣となります。
(男雛・女雛の左側を守るのが左大臣、右側を守るのが右大臣、ということですね。)
この段では「懸盤膳(かけばんぜん)」や「菱台(ひしだい)」といったお飾り類も置きます。

ですので全体的には、正面から見て左から順に
「右大臣・懸盤膳・菱台・菱台・懸盤膳・左大臣」
となります。

ちなみに、両者が身にまとう装束から、左大臣は「左近衛中将(さこんのちゅうじょう)」、右大臣は「右近衛少将(うこんのしょうしょう)」と呼ばれる役職ではないか、とも言われています。

警護という役目に変わりはないのですが、厳密には随身よりも身分が高い人物、ということですね。

左大臣、右大臣の持ち物

*弓
弓(ゆみ)は、真ん中あたりを左手に持たせます。

*持矢
持矢(もちや)は矢尻を上に羽を下にして、矢尻に近い部分を右手に持たせます。

*烏帽子
大臣の烏帽子(えぼし)は、追い毛(おいげ/飾りの毛)が顔のもみ上げあたりにくるようにかぶせて、紐はあごの下で結びます。

*太刀
太刀(たち)は、切っ先部分がやや持ち上がる角度で、左腰あたりの袖の下に差し入れます。
(紐のあるタイプは腰に回して結びます

*背矢
背矢(せや)は背負い矢(せおいや)とも呼ばれ、左肩(向かって右)から羽が見えるようにセットします。

お飾り類

*懸盤膳
懸盤膳(かけばんぜん)は一人用の高級な料理膳です。
それぞれの大臣の横(内側)に、対象になるように置きます。

*菱台と菱餅
菱台(ひしだい)に乗せた菱餅(ひしもち)は中央に並べて対称に置きます。
菱餅の桃・白・緑三色の色は、桃の花・残雪、芽吹く草を象徴するとされていますが、諸説あります。
(三色それぞれに浄化や厄除けの意味があるともされます。)

【5段目】・仕丁/しちょう

仕丁
仕丁(しちょう/しじょう)は宮廷貴族に仕える雑役係りの三人組です。
その装束から、庶民であることが分かります。

仕丁は無償の労役でもあったことから、その表情はそういった世情を生きる平安庶民の複雑な心情を描写している、と言われています。
また、その表情の豊かさから「感情豊かに健やかに育つように」という願いが込められている、ともされているようです。

三人にはそれぞれの表情に合わせた呼び名がついていて、怒り顔は「怒り上戸(おこりじょうご)」、泣き顔は「泣き上戸(なきじょうご)」、笑い顔は「笑い上戸(わらいじょうご)」となっています。

置く位置は左から怒り上戸、泣き上戸、笑い上戸で、この段には桜と橘(たちばな)も飾られます。

ですので全体的には、正面から見て左から順に
「橘・怒り上戸・泣き上戸・笑い上戸・桜」
となります。

仕丁の持ち物

セットにより外出時と内裏の様子を表わす、2種類のバージョンが存在します。

*怒り上戸
台笠(だいがさ/丸い部分に帽子が入っている)を持たせます。(外出)
熊手(くまで/掃除用具)を持たせます。(内裏)

*泣き上戸
沓台(くつだい/履物を乗せる台)を持たせます。(外出)
塵取り(ちりとり/掃除用具)を持たせます(内裏)

*笑い上戸
立傘(たちかさ/昔の日傘)を持たせます。(外出)
箒(ほうき/掃除用具)を持たせます。(内裏)

*烏帽子
烏帽子を頭にかぶせ、結び紐はあごの下で結びます。

お飾り類

内裏では紫宸殿(ししんでん/儀式を行う神殿)の中から見て右に橘、左に桜の木が植えられており、これらは「右近の橘・左近の桜」とも呼ばれます。
(これは、儀式の際にはそれぞれの木を境として、右近衛府(うこんえふ)と左近衛府(さこんえふ)と呼ばれる護衛部署を配置したことが由来とされています。)

ひな人形の橘と桜は、こういった内裏の情景を表わすものであり、また、繁栄や栄華を願うシンボルでもあるようです。

*橘
橘(たちばな)は日本古来よりある柑橘類の木です。
常緑樹であることから不老不死の力を持つと考えられ、内裏でも植えられていました。
ひな人形の飾りの橘は内裏にならい「右近の橘」とも呼ばれ、向かって左端に置きます。

*桜
桜(さくら)は日本古来からある木で、当然、内裏にも特別な木として植えられていました。
平安時代には桜は特別な花とされ、諸説様々ですが、花のあとに葉が出る神秘性もその理由の一つだったようです。
ひな人形の飾りの橘は内裏にならい「左近の桜」とも呼ばれ、向かって右端に置きます。



【6段目】・お道具類

お道具
「お道具(おどうぐ)」とは、女雛である姫の嫁入り道具のことです。

これらのお道具類の配置には特に決まりごとはないとされています。
一般に、6段目には室内で使用するものを置くようです。

6段目は正面から見て
「左右外側に背の高いもの、中心部に背の低いもの」(中心がへこんだ谷型)に置くと、納まりもバランスも良くなるようですよ。

お道具類

種類はさまざまにあるようですが、基本的なものをご紹介しておきます。

*箪笥(たんす)
衣類や小物など、身の回りを整理する家具で、その登場は江戸時代になってから、ということです。
つまり、厳密には平安時代の姫のお道具ではないということになりますね。

*長持(ながもち)
衣類や寝具、身の回りのものを入れるための長方形の箱状の家具です。
長持ちには棹(さお)通し金具という棹を通す部分があり、そこに棹通して二人で担いで運べるようになっています。

*鋏箱(はさみばこ)
長持ちと同様に衣類・調度・装身具などを入れる箱状の家具で、もともとは従者が竹に衣類などを挟み運んだことから、後に「鋏箱」と呼ばれるようになったと言われています。

*表刺袋(うわざしぶくろ)
姫の装束から調度品などを包むための布で、布地の強度を増すために表刺縫い(刺し子)を施したことから、この名がついたとされます。

*火鉢(ひばち)
冬の暖房器具で、その昔は火桶(ひおけ)と呼ばれていたようです。
4本の足のついたものが正式の形とされ、「台火鉢」と呼ばれます。

*お針箱(おはりばこ)
お裁縫道具一式ですが、平安の姫がお裁縫をしたのか疑問です。
箪笥もそうですが、これも江戸時代の嫁入り道具のような気がします。

*鏡台(かがみだい)
鏡付きの化粧道具を収納する小型の引き出し付きの箱です。

* 台子(だいす)
茶道具用の箪笥です。
茶道は戦国時代に千利休により広められ、戦国武将の間でブームとなった文化です。
以降、江戸時代においては武家の姫においては必須のたしなみであったようです。

【7段目】・お道具類

牛車
この段の配置にも特に決まりごとはないとされています。
一般に、7段目には屋外で使用するものを置くようです。

7段目は正面から見て
「左右外側に背の低いもの、中心部に背の高いもの」(中心が高い山型)に置くと、納まりもバランスも良くなるようですよ。

お道具類

*お駕籠(おかご)
戸の付いた駕籠は公家または武家の身分の高い人だけの乗り物でした。
向かって左側に置かれることが多いようです。

*御所車(ごしょぐるま)
牛が引く牛車(ぎっしゃ)のことで、公家が乗る豪華なものを御所車、または源氏車(げんじぐるま)と呼びます。
向かって右側に置かれることが多いようです。

*重箱(じゅうばこ)
重箱の起原は弥生時代とされています。

平安時代の重箱の用途としては、宮中での節句行事において「人が食べる用」のお料理を入れる器として使用されていた、ということです。
(その当時、宮中行事では神様へのお供え用と人が食べる用の2種類のお料理が用意されていたという話です。)

現代のおせち料理を重箱に詰める風習は、この名残ということのようです。

重箱はサイズが大きいことから、おさまりの良い7段目の中央に飾られるのが一般的です。

様々なひな人形

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3段、5段、7段と、ひな壇に飾るひな人形の他、親王飾り(しんのうかざり)、立雛(たちびな)、吊るし雛(つるしびな)というものもあります。

親王飾り/しんのうかざり

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男雛と女雛だけのひな人形で、今の「ひな人形」のスタイルを作った元祖と言える様式かもしれません。

男雛は天皇を表わし、天皇は親王とも呼ばれることから「親王飾り」と言われています。


豪華なひな人形となったのは江戸時代後期ころから、というふうに言われています。

つまり、それ以前は男雛と女雛だけの親王飾りが主流だった、ということになります。


ひな人形は、古来厄除けの風習での形代(かたしろ/紙を人の形に切り抜いたもの)がそのルーツ、ということです。

そしてその風習が平安の宮中で進化した結果、親王飾りとなった…ということのようですね。


飾る場所も飾り方も特に指定はありません。

専用のテーブルを用意するほか、サイドボードやピアノなど、台となる場所の上に置くことも多いようです。

立雛/たちびな

立ち姿の親王飾りですね。

表を歩く天皇・皇后の姿という説があります。
また、ひな人形そもそもの由来が形代であることから、こちらの立雛のほうがスタンダードであった、とも言われています。

人形の拡大と縮小

江戸時代で庶民文化が開花し、人形の大きさが競われるようになりました。
実寸サイズのひな人形も作られたようです。

ですが、人形の巨大化と販売競争の激化に歯止めをかけるために、亨保六年(1721年)、幕府の命により8寸(24cm)以上のひな人形の製造や販売が禁止されます。

そのことから、ひな人形の価値観は大きさからクオリティや付加価値の時代へと移行します。
そうして、江戸後期には今の豪華絢爛なスタイルを形成していくことになった、ということです。

吊るし雛/つるしびな

吊るし雛
吊るし雛は「雛のつるし飾り(ひなのつるしかざり)」とも呼ばれ、江戸時代より始まったひな人形の風習とされています。

人形を飾る文化が高まるさ中、高価なひな人形を飾れない江戸庶民が飾ったのが吊るし雛とされています。


こちらも特に指定される飾り方はありませんが、家の建具類を利用するのであれば、重さがありますので吊るす場所は慎重に選ぶことが必要かもしれません。

専用の吊るし台もありますし、屏風のような枠に吊るされているタイプもあります。

現代ではひな祭りの装飾的に、段飾りのひな人形と一緒に吊るし雛を飾る場合もあるようですね。

人形の種類

古布(こぶ)で作られる人形は20種類を超え、その一つ一つに意味が込められています。

*蛤(はまぐり)
貞操の象徴とされる。

*俵鼠(たわらねずみ)
金運の象徴とされる。

*松(まつ)、竹(たけ)、梅(うめ)
松は神聖な木、竹はすこやかな成長を、梅は節操を表わすとされる。

*鶴(つる)、亀(かめ)
長寿と夫婦円満の縁起物。

*糸巻き(いとまき)
お裁縫が上手になる様にとの願かけ。

*雀(すずめ)
五穀豊穣を表わし、食べ物に恵まれるようにとの願かけ。

*鳩(はと)
鳩は神様の使いとされ、縁起が良いとされる。

*犬(いぬ)
安産の象徴で縁起物。

*鼓
おめでたいことの象徴。

このほか「羽子板」「金目鯛」「隠れ蓑」「梟(ふくろう)」「鬼灯(ほおづき)」「花」「枕」「お手玉」「草履」「だるまさん」「蝶」「よだれかけ」「お多福」「手毬」「大根」「人参」などの人形を糸で繋いだものを、吊るして飾ります。

ひな人形の飾り方 まとめ

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サイズが小さいだけに、ひな人形を飾るのも一苦労…かもしれませんね(笑)。

とは言え、その細部まで作り込まれた美しさには、目を見張るものもありますよね。


その一つ一つの意味を知り平安時代の様子に想いを馳せれば、普段とは違う母娘の団欒を楽しめる時間となるかもしれませんよ!


思い出をキレイに残したい!と思うあなたはコチラ⇒『ひな人形の飾りつけで仕上がりをキレイに見せるコツ』も読んでみてくださいね!