赤鬼

節分は2月の初めころ…ということは分かるのですが、正式な「節分の日」っていつなんでしょう?

ここ数年は2月3日の節分が続いているので、節分は2月3日と思う方も多いと思いますが、実は節分はお彼岸やお月見のように、日にちが変動する行事なのです。

ちなみに、2020年までは2月3日の節分が続きます。

ただ、毎年節分の日を忘れてしまったとしても、スーパーやコンビニなどでは早々にお知らせなどが貼られていたりしますので、まあ、覚えていなくてもそれほど困ることもないのかな?とは思います。(笑)


そこで今日は、節分の意味や由来、どうして日にちが変動するのか?ということから、豆まきをする理由などについてお話したいと思います。




2018年から2025年までの節分の日

カレンダー

まずは、2018年以降の節分の日を見てみると

2018年~2020年 … 2月3日
2021年      … 2月2日
2022年~2024年 … 2月3日
2025年      … 2月2日

と、このようになっています。

でも、どうしてこのように節分の日にちが変動するのでしょう?

節分の日が変動する理由とは?

地球
節分の日が変動する理由、それは節分が立春の前日に行われる行事だからです。


立春とは二十四節気という暦により定められている冬と春の境目の日のことです。
冬の終わりであり春の始まり、ということになるでしょうか。
そして毎年の「立春」は、太陽と地球の位置関係(角度)によりその日が定められます。

ですので、立春が必ずしも毎年同じになるわけではないんですね。
(惑星はピッタリ1年でジャスト1周…というわけではありませんからね。)

つまり、節分が変動するのは立春が変動するから、ということです。


ちなみに、二十四節気は1年を4つの季節に分けて考えるため、立春のほかに立夏、立秋、立冬と、全部で4つの節目の日がありますので、その前日は全て「節分」ということになります。

二十四節気についてはコチラ⇒『二十四節気とは?何のためにあるの?』

節分の由来や意味は?

梅の花

節分の「節」とは「季節の分かれ目/変わり目」を意味します。
(今でもよく「節目/ふしめ」という言葉を使いますが、そういう感じですね。)
節分は「節分かれ/せちわかれ」とも呼ばれ、四季折々において認識されていたようです。


ではなぜ、立春での節分だけが行事として今に残るのでしょう?

その理由は、節分の起原に由来するようです。

節分の起源

京都御所
節分は、奈良~平安時代の宮中において、大晦日(旧暦12月30日)に行われていた年中行事の「追儺(ついな)」がその起原、とされています。

この時代においての新年は「春から始まる」とされており、旧暦の新年にも合わさってくることから、立春の日は1年のうちでも特に意味のある日とされていたようです。

また、この時代では時節の節目に魔物が現れやすいとされていたことから、特に一年の締めくくりである大晦日には魔物が出やすいと考えられていました。
(疫病や災いなどは、目に見えない魔物の仕業と考えられていたんですね。)

ですので、そういった意味からも1年で最大の魔物を祓う行事である追儺は、重要な年末の大祓(大祭)として執り行われていたようです。

その後江戸時代になり、追儺の風習はその意味合いにより、形を変えながらも庶民の文化に定着していきました。


つまり、現代まで立春の節分が行事として残った理由は、追儺が新春に向けての行事であったため…という部分が大きいようですね。

節分のルーツ、追儺とはどういうもの?

追儺は「鬼やらい(鬼遣らい)/鬼ならい(鬼儺らい)」とも呼ばれ、災厄を祓い1年の息災と安寧を祈願する宮中儀礼です。

追儺は古来中国より伝来した「大儺(たいな)の礼」という風習が宮中に取り入れられたもので、「儺」という字には、疫病を駆逐するという意味があるとされています。


追儺では、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる人が四ツ目の黄金の仮面を付け、恐ろしい姿の神に扮し、様々な野獣に扮した者たちを引き連れて、「おにやろー(鬼遣ろう/鬼を祓いましょう)」という掛け声で練り歩き、従者たちと共に弓や太刀、太鼓の音などで魔(災厄)を祓う、ということが行われていたそうです。
(この異形の神そのものを方相氏(ほうそうし)と呼ぶ、とする説もります。)

要は、追儺においては目に見える形での「鬼の役」は存在せず、あくまでも目に見えない魔物(疫鬼/悪鬼)に対して祓いを行っていた、ということになります。

節分の鬼は神様だった?

鬼を祓う役目であった異形の神=方相氏ですが、その恐ろしい出で立ちからか、後の時代には方相氏自体が鬼の象徴となっていった…ということのようです。
(ただ、これは一説によると、方相氏を務める人物は朝廷との繋がりが深い地位にあったため、その存在を疎ましく思った後の世の政権が「方相氏=鬼」という図式に仕立て、その地位を貶め退けていった、という話もありますが…。)


まあ、いずれにせよ。
現代に残る節分の「鬼」のルーツは、異形の神の姿だった…ということでしょうか。


ちなみに「鬼」の語源は「陰(おん)/隠れた存在」という言葉に由来する、あるいは「隠れている=怖いもの」という意味の「隠人(おんにん)」という言葉が変化した、という説がありますね。



節分での豆まき、その由来や正しいルールは?

節分

宮中儀礼であった追儺とは少し違った形で現代に残る節分ですが、「災厄/魔を祓う」という意味は今もなおそのままに残っています。

では、今に伝わる「豆まきによる鬼払い(厄祓い)」はいつごろ、どういった理由から行われるようになったのでしょうか?

豆まきの由来

大豆畑
豆をまいて鬼(災厄)を祓う風習の始まりは、平安時代からとも室町時代からとも言われており、またその由来も

・五穀の一つで神事にも用いられる大豆には神聖な力があるとされ、その力によって魔を退けるとされることから
・その昔、鞍馬山に鬼が出て、毘沙門天のお告げに従い大豆を鬼の目に投げつけ退治した
・中国の書物に豆は鬼の毒を滅するとあった
・豆は「魔滅(まめ)」に通ずるとされる縁起的な意味合いから

などなど、諸説さまざまにあります。

ただ、どの由来であっても、使うのは「炒った大豆」であるようです。
これは生の大豆では「魔を封じた豆が芽を出すのは縁起が悪い」ということと、あと、語呂合わせとして「豆」は「魔の目」、「炒る」は「射る」(魔目を射る)に通じるということもあるようですね。


いつから始まったのかは定かではありませんが、江戸庶民の文化には「節分の豆まき」がすでに定着していたようです。

正しい豆まきのルールとは?

升

結論から言えば、結局は「ご家庭のルールで楽しくどうぞ」ということになるようですが…(笑)。

一応、行事っぽい流れを載せておきますね。


①福豆(大豆を炒って、神棚に供えたもの)を適量、用意します。
②節分の夜、家長(あるいは年男)が「鬼は~外!・福は~内!」という掛け声とともに、窓の外や玄関の外に福豆を投げ打ちます。
③何度か豆を投げた後、窓や扉をしっかり閉めます。
④残りの福豆を家族それぞれが、実年齢あるいは数え年の数だけ、息災と感謝を願いながら食します。

節分でお供えする物ってあるの?

柊と鰯
日本古来の風習では、臭いの強い食物や植物、尖ったものなどを魔除けとして使用されることは多々見受けられます。

節分では魔除けとして、「棘のある葉を持つ柊(ひいらぎ)に焼いたイワシの頭を刺したもの」を家の戸口に飾る、という習慣があります。

これはこの両方が「鬼の嫌いなもの」とされているからです。
(柊の葉の棘は鬼の目を刺し、イワシを焼く煙が鬼を遠ざける…、あるいは、イワシを焼く臭いにつられて寄って来た鬼の目を柊の葉の棘で刺す…ということのようです。)

節分の季節に「焼いたイワシ」を店頭などで多く見かけるのは、この風習によるためです。

節分で食べる料理は?

節分料理
節分に食べられている料理はいくつかあるようです。


・恵方巻
昭和から平成にかけて関西を中心に台頭してきた「恵方巻」は、その食べ方に意味があるとされ、毎年の恵方に向かいお寿司の太巻きを無言で丸かじりする、というものです。
これは日本古来からあった風習ではありませんが、今後100年ほど続けば立派な庶民の文化になるのではないでしょうか。

・節分そば
年越しそばの「災厄を切る」といった意味合いから、節分でも同様にそばが食べられるようになり、現代にもこの習慣が残ったようです。

・福茶
福豆(三粒)、昆布、梅の三種の入った湯(茶)で、豆は「マメに暮らす」昆布は「喜ぶ」梅は「めでたい」ということを表わすとされ、年の数の豆を食べられないときは、この福茶を飲めば良いとされます。

・鰯(イワシ)料理
戸口にイワシの頭を飾る風習から、塩焼きのイワシ、またはイワシ料理を食べる習慣があるようです。

この他、地方により「けんちん汁」に豆を入れて食べたり、「こんにゃく料理」で体内を浄化する、というような風習があります。

節分まとめ

笑福

節分の豆まきは、特にお子さんのいるご家庭では一つの家族イベントとなっているのではないでしょうか?

多くのご家庭ではパパが鬼、となるようですが…。
あるいは家族全員で交代しながら鬼となり、豆を投げ合いながら楽しい鬼ごっこのようにるんじゃないかな、とは思いますけれど…(笑)。


福は内!ということで、「笑う門には福来る」ということでもありますし、ルールに縛られることなく家庭内に笑い声がおこるような節分が良いのではないかな、と、個人的には思うのですが…どうでしょうか?

そしてもし、お子さんが話の分かる年齢であれば。
みんなで福豆を食べつつ、こういった由来などを話してみるのは良いかもしれませんね。

あと、これは全くの余談なのですが。
臭いのキツイものや尖ったものを嫌うって…ドラキュラも確かそうだったな、と。
(ドラキュラが苦手なモノはニンニクと杭ですよね。聖水と十字架は宗教的な意味合いからだと思いますけど。)

洋の東西を問わず、魔性のものは臭いと尖っている物がキライ?と、節分には全く関係のないことを、ふと思ってしまったのでした(笑)。



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