夏バテの症状では、体のだるさや食欲不振があります。
さらにこれが酷くなると、吐き気、頭痛、腹痛、めまい、過度の眠気など、様々な症状に悩まされるようになり、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
こういった煩わしい夏バテの症状から一日も早く回復し、爽やかに残暑を過ごすために!
今日は夏バテの症状を改善するための生活習慣や食事についてお話したいと思います。
原因
まず、夏バテの原因の一つとしては、脳の働きによるところがあります。
外気温が上昇すると、脳は体の表面の血管を拡張させたり、汗を出したりすることにより、体温を下げようとします。
それと同時に、体の温度が上がる動きを制御しようと働きます。
食事も消化器官が活発に働き体温があがりますので、脳はこれを制御しようと働きます。
つまり、夏の暑さから食欲がなくなったり身体のだるさを感じたりすることは、人としてはある意味自然な現象と言えます。
ですが、そのまま放っておくと体力が消耗し続けて、夏バテの悪循環に陥ってしまいます。
次に、クーラーの効いた部屋と外の環境との温度差から自律神経のバランスが乱れてしまい、上手く体調を整えられなくなることも、原因の一つです。
自律神経が上手く働かないと、のぼせ、頭痛、めまいなど、様々な体調不良がおこります。
また、自律神経は胃腸の健康状態にも関係していますので、自律神経のバランスが崩れると、食欲が落ちたり胃腸を悪くしたり…という症状にも繋がります。
やはりこれも夏バテの悪循環を引き起こす要因と言えます。
こういった夏バテの悪循環から起こるさまざまな体調不良は、日々の生活習慣や食事を改善したり工夫することで、かなり軽減できます。
夏バテ改善方法 生活習慣
快適な環境というのは日々健やかに過ごすためには必要なことですが、不自然すぎる環境もまた体調を崩す原因となってしまいます。
この章では夏バテを回避していくための簡単な方法をご紹介します。
◆室外、室内の温度差を自分なりに軽減させる
クーラーの温度を下げ過ぎないことが大切で、「外よりも涼しい」くらいを目安に温度設定すると良いでしょう。
職場など自分で温度設定できない場合は、ひざ掛けや上着などの保温アイテムで冷え過ぎないように自衛します。
暑い屋外では帽子や日傘などの遮光アイテムを活用し、出来る限り日陰に入るようにします。
意外にも、夏場の長袖のシャツの着用は効果的です。
外では直射日光の暑い日差しを軽減し、室内ではクーラーでの冷え過ぎを防いでくれる効果があります。
内外の急激な温度差による夏バテの諸症状には、こういったアイテムを活用した対策がススメです。
◆自律神経のバランスを整える
朝晩のバスタイムで交感神経と副交感神経を整えます。
夜はぬるめのお風呂(37度~39度くらい)で20分~30分の半身浴は副交感神経の働きが良くなり、心も体もリラックスします。
お湯につかると血行が良くなり筋肉もほぐれますし、汗をしっかりとかくことで老廃物も流れます。
しっかり疲れをとってから眠ると、睡眠中の回復がまったく違ってきます。
さらに、朝にシャワーを浴びて交感神経の働きを活発にすることで、脳も活性化され頭がスッキリとします。
このように副交感神経と交感神経を規則的に刺激することで、自律神経のバランスが整い、夏バテの諸症状を軽減しやすくなります。
◆睡眠時の室温調節
寝苦しい夜、エアコンを点けっぱなしにすると、夜中に寒くて目が覚める…ということもありますが、これは、日中に比べ睡眠中のほうが体温が下がるため、体が冷え過ぎてしまうためです。
寝不足は体力を消耗し、夏バテを増長加速しますので、エアコンはタイマーを使い一定時間で切れるようにする、あるいは掛布団を温かいものにするなどして、しっかりと安眠を確保するようにします。
エアコンが苦手な方は、体感温度が下がる寝具(ひんやりする枕やシーツ、竹素材のシーツなど)を活用し、扇風機と除湿器で暑さを軽減すると良いでしょう。
◆程度な運動
夏バテに限らず、規則正しい生活に適度な運動が体に良い…とは分かっていても、なかなかできない、というのが本音です。
とは言え、夏バテがひどくなると本当にどうしようもない状態になりますので、自分のためにも、お風呂上りの後には簡単なストレッチくらいはやっておいたほうが良さそうです。
夏バテ改善方法 食生活
胃腸の調子は自律神経も関係しますが、大きくは食生活に左右されます。
この章では夏バテを軽減してくれる食べ物や食習慣をご紹介します。
◆飲み物と飲み方
照りつける太陽の暑さに負けて、炎天下で冷えっ冷えの飲み物をがぶ飲み…というのも、たまには良いかもしれません。
しかし、クーラーの効いた室内でも同じ感覚で冷たいものばかり飲んでいては、胃腸も悲鳴を上げてしまいます。
冷たい飲み物は胃腸の消化吸収力を下げてしまいますし、内臓(身体の内部)冷やすのは健康にも良くありません。
お腹をこわす原因にもなります。
室温が低い時は出来る限り常温、または温かい飲み物を飲むように心がけ、内蔵の温度を下げ過ぎないように気をつけましょう。
例えばミントの入ったハーブティーなどは、スッとする味わいで夏にピッタリの飲み物です。
◆ビタミンB1、B2の多い食品を食べる
「豚ひれ肉」「きなこ」「うなぎの蒲焼」「たらこ」「乾青のり」など。
ビタミンB群は体に必要なエネルギーを作るのに必要な栄養素の一つです。
体の基礎代謝が上がる夏は、体のエネルギーやタンパク質が多く消費されるため、疲れやすくなりますので、糖分や脂分をエネルギーに変えてくれるB1、B2は夏バテ対策には必須の栄養素です。
ビタミンB群は摂り貯めできないので、こまめに摂るようにしましょう。
◆タンパク質の多い食品を食べる
「高野豆腐」「するめ」「ビーフジャーキー」「たたみいわし」「焼き海苔」など。
体力(筋力)や免疫力を維持するのに欠かせないのがタンパク質です。
タンパク質に含まれるアミノ酸は体内で変化し、私たちの身体を作る元となっている成分です。
タンパク質が不足すると体力や気力の低下、体の酸化や老化など多くの不具合が出てきます。
◆カリウムの多い食品を食べる
「きなこ」「納豆」「枝豆」「アボカド」「バナナ」「干しブドウ」など
カリウムは、摂り過ぎた塩分の排出を助ける働きがあります。
汗を多くかく夏場では、水分とともに塩分の補給が欠かせません。
汗の多い夏場はどうしても塩分を多く摂りがちです。
通常、不要なナトリウムは自然に体外へと排出されますが、塩分過多が慢性化してしまうとナトリウムが蓄積されて、のどの渇き、血圧上昇、むくみなどの症状が引き起こされ、高血圧などの病気にもつながってしまいます。
◆クエン酸の多い食品を食べる
「グレープフルーツ」「レモン」「アセロラ」「梅干し」「オレンジ」など。
酸味(クエン酸)は、疲れの原因である乳酸を除去する働きがあります。
本来クエン酸は人の体内でも生成される成分ですが、運動不足や運動過剰、ストレスなどの要因により、現代人には不足する傾向にあります。
抗菌、食欲増進、新陳代謝を活発にするなどの働きもあります。
◆季節の野菜を食べる
「ナス」「きゅうり」「トマト」「ピーマン」「枝豆」「とうもろこし」「オクラ」「すいか」など。
季節野菜には体を冷やす(熱をとる)働きがあると言われています。
またそれぞれに夏バテに有効な成分が含まれているのも特徴です。
例えばトウモロコシはビタミンB群やカリウムを含みますし、オクラに含まれる「ムチン」は、疲れた胃腸を癒やす働きがあります。
まとめ
夏バテかな?と思ったら、まず、冷たい飲み物とクーラーのバランスをチェックするのがおススメです。
特に外食先などで暑い外から涼しい店内に入った瞬間は「冷たいもの」を頼みたくなるのですが、数分店内で過ごすと意外に肌寒いほど室内温度は低かったりします。
そういった涼しい部屋で冷たいものを飲み過ぎると、自分が思っているよりも胃がもたれます。
涼しい環境では、温かい飲み物を心掛けるだけでも胃への負担が軽減されます。
夏バテもひどくなると、下痢や食欲不振から胃が小さくなったり腸の炎症ががひどくなり、食事が減って体力が落ちる…という悪循環におちいってしいまいます。
また、体力が消耗するとやる気も出なくなり、身体を動かすのもおっくうになって、これもまた悪循環となります。
できれば夏バテ対策は予防に重点を置きたいところですが、夏バテの症状が進んでしまっている場合には、「食べることと眠ること」に重点を置き、体力の回復を優先させましょう。
夏バテの一番の原因は「無意識な生活習慣」ではないかと思います。
自分の身体は自分で守る、大切に扱うという意識をもって、食べ方や過ごし方に気を付けてこの夏を乗り切ってくださいね!