残念ながら、秋の七草は食べません。
食欲の秋だというのに…。
私は「秋の七草粥」を想像してたんですけどね。
じゃあ、秋の七草は食べないのなら何するの?ってことで。
今日は、秋の七草についてその種類や意味などについて調べてみました。
秋の七草って何?
『秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花』
『萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花』
この二種は万葉集に収められている歌で、「山上憶良(やまのうえのおくら)」が秋の野の風景を詠んだものです。
秋の野原に咲く花を数えてみたら美しい花が7種類咲いてたよ。
それは萩の花、尾花、葛花、瞿麦(なでしこ)の花、女郎花、藤袴、朝貌(あさがお)の花だったよ。
ということで、憶良さんチョイスの「美しい秋の野の花、七選」が秋の七草として現在まで受け継がれているのです。
秋の七草だから、ということでの特別な行事はありません。
しいて言うなら。
秋の風情を楽しむことへの代名詞、といった感じでしょうか。
秋の七草の種類
秋の七草それぞれの特徴などをご紹介します。
秋の七草の種類
【萩(はぎ)】
マメ科の落葉低木。時期は7月から10月。
別名:「庭見草(にわみぐさ)」「野守草(のもりぐさ)」「初見草(はつみぐさ)」
ほうきや家畜の飼料や屋根ふきの材料になったり、めまいやのぼせの煎じ薬にもなる。
お月見で定番の「お萩(おはぎ)」はこの花が由来。
【尾花(おばな)】
イネ科の多年生草本。ススキの花穂のこと。時期は8月から10月
別名:「芒(のぎ)」「萱(かや)」
馬などの動物の「尾」に似ていることからこの名がついた。
屋根ふきの材料や家畜の飼料にもなった。
お月見のお供えの定番。
【葛(くず)】
マメ科の多年草。時期は8月から9月。
別名:「裏見草(うらみぐさ)」
まわりの木々につるで巻きついて育つ。
葛布(くずふ)の材料になり、根はくず粉や漢方の葛根になる。
【瞿麦(なでしこ)】
ナデシコ科の植物。時期は6月から8月
別名:「蘧麦(きょばく)」
通常は「撫子(なでしこ)」
北半球にある約300種のナデシコのうち、ヒメハマナデシコとシナノナデシコは日本に自生する固有種。
【女郎花(おみなえし)】
合弁花類オミナエシ科の多年生植物。時期は8月から10月。
別名:「チメグサ」「敗醤(はいしょう)」「粟花(あわばな)」「思い草(おもいぐさ)」
【藤袴(ふじばかま)】
キク科の多年生植物。時期は9月から11月。
乾燥すると桜餅のような香りがする。
かつては洗髪料、防虫剤、芳香剤、お茶などに利用された。
現在では準絶滅危惧(NT)種に指定されている。
【朝貌(あさがお)】
キキョウ科の多年性草本植物。6月から9月。
山上憶良が詠んだ七草の朝貌には「朝顔」「昼顔」「木槿(むくげ)」と、諸説ありますが、一般的には桔梗を指すとされている。
根は去痰、鎮咳、鎮痛、鎮静、解熱作用があるとされ、銀翹散、十味敗毒湯、防風通聖散、排膿散などの漢方生薬として利用される。
陰陽師の安倍晴明が五芒星を桔梗印と呼んだことから、縁の晴明神社では神紋となっている。
秋の七草の楽しみ方
秋の七草だから…という行事はありませんが、古来より日本には自然を愛でる風習があります。
ですので、秋の七草は野の花を眺め秋の風情を楽しむ風習の代名詞と言えます。
今、七草のいくつかは絶滅危惧種ということで、気軽に目にすることはできないようですが、この七草以外にも野山には美しい草花や木々の紅葉なども存分に楽しめます。
気候の良い秋の休日に万葉の野の花に想いを馳せて、ハイキングに出かけてみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
せっかくなので秋の七草を覚えてみませんか?
まずは五、七、五のリズムで繰り返してみます。
ハギ・キキョウ。クズ・フジバカマ、オミナエシ。 オバナ・ナデシコ、秋の七草。
次に、花の名前の頭文字をとって「おすきなふくは(お好きな服は?)」という語呂合わせです。
おミナエシ
すスキ
きキョウ
なデシコ
ふジバカマ
くズ
はギ
いかがでしょうか。
多忙な毎日を送っていると、ついつい、ささやかな豊かさや幸せを見逃してしまいがちです。
秋の七草は、そういった現代人にピッタリの風習かもしれませんね。
ほんの一瞬、ささやかに咲く野の花や自然の大きさに目をやり気を休めるだけでも、リフレッシュできますものね。