さて。
夏休みの宿題で厄介なのが読書感想文ですよね。
「普段、本を読む習慣がないので、感想とか分からない」
「どんな本を読めば良いのか分からない」
「自分の気持ちを表現するのが苦手」
「そもそも文章を書くのが苦手」
そうは思っても、とにかくやらねばならぬ…のが宿題です。
「文章を上手く書くコツってあるの??」
「何とか楽に済ませる方法はないの??」
と、感想文から一日も早く解放されたいと思っている高校生のあなたに向けて!
今回は、本の選び方や構成から文章の書き方、また、どうしようもない時の奥の手など、感想文が書きやすくなるお役立ち情報をお伝えしたいと思います。
目次
はじめに
とにかく感想文を素早く終わらせて楽になるためには、気持ちを切り替えて全ての作業を淡々と行うことが大切です。
そこで、まず最初に。
感想文を早く終わらせるための【あいうえお五箇条】をお伝えします。
【あ】諦めて腹を括れ!
【い】一番の目的は提出すること!
【う】上手く書こうと思わない!
【え】選ぶ本は読みやすさ重視!
【お】終わりよければすべてよし!
要は、
自分は文章を書くのが苦手だから素敵な文章は書けない、と開き直る。
とにかく仕上げることに重点を置き、一気に書ききる。
完璧を目指さず「8割くらいの出来で良い」という気持ちで書く。
本は自分クオリティの内容で選ぶことが重要。
要点やまとめをしっかり書けば、それなりの出来栄えになる。
ということです。
この五箇条に沿って作業すれば、比較的スムーズに進むはずです。
それでは早速、本題に入りましょう。
感想文が書きやすくなる本の選び方
感想文が苦手な人にとって最も重要なことは本選びです。
しかし、この本選びの時点で感想文が嫌な人はウンザリするのです。
そもそも、無理やり読んだ本の感想…というのも無理があるとは思いますが、嫌だ苦手だと思っていても何も解決しません。
腹を括って選びましょう!
人により好みや感じ方も様々ですので、一概に「これが良い」ということは言えませんが、本を選ぶ際のコツをいくつかご紹介します。
◆選ぶコツ、その1
今の自分に密接な内容のものをチョイス。
疑問に思っていることや悩んでいることの答えになるような内容のものや、知りたいこと、興味のあることなどから選ぶ。
環境保護に関心があれば、そういったジャンルで活躍している人の実話もの。
野球が好きなら有名選手の自伝や球界の歴史。
恋愛に悩んでいるなら恋愛系小説など。
ただしマニュアル本、ノウハウ本、ハウツー本、推理小説などは感想文には不向きなので選ばないほうが無難。
◆選ぶコツ、その2
「課題図書」「感想文おススメ図書」からチョイス。
図書館や書店では感想文におススメの書籍のコーナーが必ず設けてある。
その中から選べば、先生からの評価は無難にやり過ごせる。
テーマやジャンルが様々にあるので、自分が読みやすい(書きやすい)と思えるものを選ぶ。
感想文が書きやすいジャンルは小説。
無難なテーマは友情系、家族・人間愛系、命は大切系、環境・動物保護系。
◆選ぶコツ、その3
児童文学(子供向けの小説)をチョイス。
文章が読みやすく内容も理解しやすい。
小学生高学年向け以上のものであれば、高校生にも十分耐えられる内容。
意外と奥深い話が多いので、ちゃんと取り組めば高校生らしい感想文を書くことができる。
感想文が書きやすくなる本の選び方のコツ(共通)
*本の巻頭か巻末にあらすじが載っているものを選ぶ。
(またはネットであらすじが調べられるもの)
*確実に自分が理解できる範囲、関心を向けることができるテーマを選ぶ。
*分量(文字数、文字の大きさ、ページ数)もチェックして、楽に読み切ることができそうなものを選ぶ。
感想文の文字数を無理なく増やせる構成
文章を書くことが苦手な人は、どうしても文章が短くなります。
そこで、この章では文章が苦手でもどうにかなる(原稿用紙が埋めやすい)構成パターンをご紹介します。
まず、全体の流れとしては下の①~⑥の内容になります。
①この本を選んだ理由。
②本のあらすじ、内容。
③本のテーマに対する自分の考え方。
④印象に残ったシーンの引用。
⑤本のテーマと現在の自分とのギャップ。
⑥自分の考えがどのように変わったか。
感想文の核としては「本を読む前はダメな自分だったけれど、本を読んで勉強になった、良くなった」的な流れで書けばOKということです。
その流れを踏まえてこの6つの項目をそれなりに埋めていけば、感想文もそれなりの文字数となります。
次の章では、この6つの項目それぞれを埋めていく具体的な方法の説明をします。
特に感想がないという人にもできる感想文の作り方
これから説明するのは「本を読み終わっても何も思わない…(特に感想がない)」という人にもできる方法です。
この方法は本を読んだ後に感想を書くのではなく、本を読みながら要点をノートに書き出していきます。
そして最終的に原稿用紙へ清書します。
ですので原稿用紙のほかに「ノート」「ペン」「付箋」を用意してください。
小説は大きなテーマの中に、小さなテーマ(エピソード)がいくつも含まれています。
大きなテーマが明確でない場合、小さなテーマ(エピソード)の中の一つを選び、それに特化して書くのがおすすめです。
それでは。
前章でお伝えした構成の各項目の書き方やコツについて説明していきます。
①この本を選んだ理由
選ぶに至った明確な出来事や思い入れがあれば問題ないのですが、「何となく選んだ」という場合は本当に困りますよね。
この部分を想定して、選んだ理由が書きやすい本を選ぶのも一つの手法です。
何となく選んだ場合でも、そこには必ずポイントとなった部分があるはずですので、そこは絞り出してでも書きます。
それ以外に「いつ、どこで、どういう状況で」というような「選ぶに至るまでの出来事」などを織り交ぜて書くと文字数が稼げます。
「本屋で見つけて、関心はないけど何となく選びました」
↓
「本屋で『どれにしようか…』と悩んでいた時にこの本のタイトルが目に止まり、思わず手に取りました。中を見てみると、普段の自分では選ばない感じの内容でしたが、これを機会に『読んでみよう!』と思い、この本を選びました。」
と書けば、それなりの感じになりますね。
②本のあらすじ、内容
「いつ、どこで、誰が、何をして、どうなった」という軸を基本に書きます。
ここは長くならないように簡潔にまとめるのがポイントです。
『フリーで広告業を営む恵介は、脳梗塞で倒れた父の代わりに実家のイチゴ農園を手伝うことになる。イチゴ栽培を通じて家族が団結しその愛情に支えられて恵介が自分の生きる道程を見い出していく奮闘記です。』
こんな感じで良いでしょう。
あらすじは本の巻頭or巻末orネット検索を駆使するのが手っ取り早いと思いますが、それで見つからないなら、これは後回しにして最後に書きます。
③本のテーマに対する自分の考え方
ここは「⑥自分の考えがどのように変わったか」の伏線も兼ねています。
ですので、本を読む前の「未熟な自分」の状態を軸に書くようにします。
テーマに対する同意でも期待でも反対意見でも偏見でも印象でも何でも良いです。
正直な本音でいきましょう!
「デザイナーの主人公が農業を手伝うのは大変だろうな、まさにハタケ違いだな…、くらいの軽い気持ちで読み始めました」
程度でも大丈夫です。
④印象に残ったシーンの引用
ここは本文中で感動したことや、驚いたことなどを付箋とメモを駆使して、読みながら拾っていく作業です。
自分が「いいな」「すごいな」と感動したことをチェックしていきます。
特に見つからない場合は、一般的に考えて「良いことを言っているところ」や「良いことをやっているところ」や「感動的なシーン」などをチェックしておきます。
主人公の気持ちの変化や考え方の変化、主人公の行動に影響を与えた決定的なエピソードなども良いですね。
あまり深刻にならずに、ザっと読みながらピンとくるところだけをチェックしつつ、とりあえず最後まで読んでしまいます。
「中でも印象に残っているのは、家族とのトラブルがあった時に恵介の言った~~~~という一言です。この部分は普段、自分が家族に対してとっている行動を考えさせられるきっかけになりました。また恵介が~~~~~する場面では~~~~という部分が本当にスゴイなと思ったし、恵介の仕事に対する向き合い方に憧れました」
といった感じでしょうか。
⑤本のテーマと現在の自分とのギャップ
ここは④からの引き続きとなります。
主人公の行動を通じて自分の行動との違いや気づきを書きます。
「自分が考えさせられたのは、「自分にとって本当に大切なことは何か?」を見つめるということです。つまり、イチゴ作りを通じて仕事だけでなく家族関係に対しても試行錯誤し成功していく恵介の姿に、自分も家族に対して、自分自身の生き方や考え方に対して、もう少しできることがあるのではないか?と思ったのです。」
こんな感じの流れです。
⑥自分の考えがどのように変わったか
ここで「どうしたいか」「どうしようと思うか」を⑤から引き続きで書きます。
「ですのでこれからは、家族に対しては今までの当たり前の気持ちを感謝の気持ちに変えて接するようにしていこうと思います。また、自分自身の日々の生活や行動ををもう少し丁寧に見つめて、精一杯の努力や工夫ということに目を向けて、何ごとも諦めずやり通せる人生を生きていきたいと思います。」
という感じになりました。
まとめ 見本文を繋げてみた
それでは、各項目にあげた見本の文章を清書っぽくして繋げてみます。
①本屋で『どの本にしようか…』と悩んでいた時に、この本のタイトルが目に止まりました。思わず手に取って中を見てみると、普段の自分では選ばない感じのものでした。ですが、これも良い機会だと思い『読んでみよう!』と、この本を選びました。
(読みやすくするコツは一文を短くすること。以下同じ)
②本のあらすじは、
『フリーで広告業を営む恵介は、脳梗塞で倒れた父の代わりに実家のイチゴ農園を手伝うことになる。イチゴ栽培を通じて家族が団結しその愛情に支えられて恵介が自分の生きる道程を見い出していく』という、家族愛に支えられて仕事を成功させていく主人公の奮闘記です。
(あらすじの「まとめ」的な一行を入れると体裁が整う)
③正直なところ、最初は「デザイナーの主人公が農業を手伝うのは大変だろうな、まさにハタケ違いだな…」くらいの軽い気持ちで読み始めました。
(はじめに接続文を入れると、前の文章と繋がって違和感がなくなる)
④ところが、読んでみると農業(イチゴ栽培)のことも本格的に書いてあり、また、家族の愛情や仕事に対する考え方など、いろいろと勉強になる面白い本でした。中でも印象に残っているのは、家族とのトラブルがあった時に恵介の言った~~~~という一言です。この部分は普段、自分が家族に対してとっている行動を考えさせられるきっかけになりました。また恵介が~~~~~する場面では~~~~という部分が本当にスゴイなと思ったし、恵介の仕事に対する向き合い方に感心しました。
(接続文として本の総評(この本は良かった系)を一行入れると、違和感がなくなり文字数のかさ増しもできる。)
⑤本を読んで自分が考えさせられたのは、「自分にとって本当に大切なことは何か?」を見つめるということです。つまり、イチゴ作りを通じて仕事だけでなく家族関係に対しても試行錯誤し成功していく恵介の姿に、自分も家族への接し方や自分自身の生き方や考え方に対して、もう少しできることがあるのではないか?と思ったのです。
(このパートをできるだけ長く書くと良い)
⑥ですのでこれからは、家族に対しては今までの当たり前の気持ちを感謝の気持ちに変えて接するようにしていこうと思います。また、自分自身の日々の生活や行動ををもう少し丁寧に見つめて、精一杯の努力や工夫ということに目を向けて、何ごとも諦めずやり通せる人生を生きていきたいと思います。
(⑤の気づきに対する結論。過去形ではなく進行形で書くのがベター。~思いました⇒~思います)
どうでしょうか。
何となくそれっぽくないですか?
細かいことを言えば様々にやりようはあります。
ですが「8割仕上げ」で十分、提出可能なクオリティとなります。
それで良いではありませんか!
とにかく、感想文は無機質にやっつけでやりましょう。
メモや付箋なども面倒な手間ですが、ハッキリ言って「読んだ後に感想をひねり出す」のとどちらが自分にとって手間か?というところです。
感想文に正解はありません。
「楽だ」と思える方法で作業するのが一番なのです。
どうしようもない時の感想文奥の手
何らかの理由で感想文をかくのに十分な時間が残っていない、あるいは「どうしてもまともにやる気が出ない」というかたへ、奥の手を一つ、お伝えしておきます。
あらかじめ言っておきますが、この方法は褒められたやり方ではありませんので、良心の咎めないかたに限りお試しください。
また、当サイトでは、この方法を使ったことから起こるいかなるトラブルの責任も負いません。
ちゃんとした感想文ができる保証もしません。
先生にバレて叱られた…、友達にバカにされた…なども、自己責任で処理してください。
感想文の構成自体は①~⑥と同じです。
ア.ネットで「感想文 高校生」で検索、いくつか目星をつける
イ.目星をつけた本のあらすじを徹底的に調べ、読みやすそうな本を選ぶ
ウ.調べたあらすじを参考に、あらすじの書き直しをする【②あらすじ完成】
エ.目次ごとに冒頭のあたりだけをザっと読み、全体の流れを把握する
オ.全体の中で一番盛り上がっていそうなか所(パート)を見つける
カ.そのか所(パート)をよく読んで、そこから印象的なシーンを拾う【④印象に残ったシーン完成】
キ.心に残ったシーンから気づきと結論を考える【⑤⑥気づきと結論完成】
ク.本を読む前の自分の考えは気づきから逆算し、対照となる内容にする【③テーマに対する自分の考え方完成】
ケ.本を選んだ理由を書く【①選んだ理由完成】
コ.①~⑥を順に並べて接続詞などを駆使して全体の体裁を整える【感想文完成】
最後におまけ
管理人が個人的に思うのは、「どうしようもない場合」には「潔く書かない」という選択肢もありではないかな、と。
ただ、その時に「ただ提出しない」というのではなく、原稿用紙に「提出したくない理由」や「提出できなかった理由」などを書いて出せばいいんじゃなかな、と。
いずれにせよ、評価には繋がらないとは思いますけど、何もしなかった…となるよりは、「ヤル気はあった」ことだけでも示すことができるのではないかと思います。
感想文。
管理人も嫌いでした。
大変だと思いますけど、頑張ってくださいね。
健闘を祈ります!