彼岸花

お彼岸…って、何となく知ってはいるけど、正確にはよくわからない。

実際にお彼岸の日っていつなのか。

そもそもお彼岸って何をする日なのか。

と、お彼岸について知りたいあなたに向けて。

今日は、お彼岸の基礎知識をお話しようと思います。

  



お彼岸の日はいつ?

お彼岸は春と秋の年2回あります。

それぞれ春分の日、秋分の日を中心に、その前後の3日間(計7日間)がお彼岸の期間です。

例えば、2017年では
「春のお彼岸(春彼岸、彼岸)」は3月17日から3月23日まで。
「秋のお彼岸(秋彼岸、のちの彼岸)」は9月20日から9月26日まで。
と、なります。
春分・秋分ともその年により変わるため、お彼岸も毎年同じ日…ということにはなりません。

ですので、お彼岸の日の目安は春分と秋分の日となります。

春、秋ともにお彼岸の最初の日を「彼岸の入り」、中間の日(春分・秋分の日)を「彼岸の中日」、お彼岸最終日を「彼岸明け」といいます。

お彼岸は何の日?その由来は?

平たく言えば、現代のお彼岸は「先祖を供養し、先祖に感謝し、先祖を偲ぶ日」です。

お墓参りをしたりお仏壇に手を合わせたり法要をしたり、そのスタイルは色々です。




そもそも彼岸とは、インドの古い言語の一つであるサンスクリット語の「パーラミター」を漢訳した「到彼岸」が語源であるということです。

その意味は「煩悩の現世(此岸・しがん)を離れて修行をすれば、はるか西方の彼方にある悟りの世界(彼岸・ひがん)に到達する」というものです。

平安時代にこういった仏教的思想(浄土思想)が中国を経由し日本へ入ってきて、それが「日想観」を生み「彼岸会(ひがんえ)」の法要として定着していきました。

日想観の修行は「真西に沈む太陽を見て、そのはるか向こうにある極楽浄土に想いを馳せ、悟りの境地を開く」といった修行です。

現代風に言えば「瞑想で悟りを開く」という感じでしょうか。

それが、日本古来よりあった感謝の文化と融合し、死=現世(煩悩)からの離脱=極楽浄土へ行く=彼岸会…という流れへと変化していったようです。


また春分・秋分という日であることにも特別な意味付けがあります。

科学的(天文的)なところは置いておくとして、暦として両日は「太陽が真東から昇り、真西に沈む日」ということになっています。

仏教では此岸は東に、彼岸は西にあるとされているので、まさに春分・秋分の日は現世(此岸)とあの世(彼岸)が最も通じやすい日、ということなのです。

ですので先祖に最も繋がりが強くなお彼岸の日にお墓参りをしたり法要をしたりするわけです。

お彼岸マメ知識

インドから中国を渡り日本へと伝わったお彼岸ですが、お墓参りなどの行事としてのお彼岸は、実は日本独自の文化です。

古来より「感謝」や「信仰」という文化が根付いていた日本において、いわゆる哲学的思想とも言える「そもそもの彼岸」は、やがて日本の文化と融合し、現在の私たちが知る「お彼岸」へと進化していった…というわけです。